山口進展に行ってきたぞ
- 景山陽
- 2024年5月10日
- 読了時間: 2分

オオムラサキセンターで開催されている、「追悼 山口進展」を観に行ってきた。
まだ行ってない自称自然写真家はさっさと行って、自称自然写真家から自称自然写真家1.10へとアプデされた方が良い。
山口進さんは、北杜市を拠点に活動されていた自然写真家で、ジャポニカ学習帳の表紙を担当されていたことでも有名だ。
HPをたまに覗いていたのだが、お亡くなりになってからはHPが消えて見れなくなってしまっている。
今後、山口さんの写真を見たいと思うのなら過去に出版された本を買うしかない。
植物写真家の埴沙萠さんもそうだったが、死後、HPやブログと言った類のコンテンツは消えてしまいやすいので、何かを残すという点では圧倒的に出版の方が向いているのだろう。
こうして公共の施設が「展示」という形で過去の仕事を纏めてくれるのには大きな意義があると思う。
展示されているのは、山口進さんの著作は勿論だが、生前使用されていた機材や、山口さんの師である田淵行男さんから山口さん宛に送られてきた直筆の手紙なども展示してあった。
展示によれば、山口さんは最近まではCanonを中心に使われていたらしい。植物を撮る写真家にはCanonユーザーが多い。
使用機材の中に、laowa24mmが入っていたのは意外だった。
用途が限られる特殊なレンズだが、アリの撮影にでも使っていたのだろうか。
展示のほとんどは山口さんの撮られた写真なので、著作権的な問題で大部分の展示の撮影がNGだ。
大きなパネルに、外国のランがハチを利用して受粉する過程が連続写真で展示してあった。
山口さんは確か「共生」をテーマに活動されていたのだと記憶しているが、ランがハチに花粉を運んでもらうシーンの写真なんかは、まさに植物と昆虫の共生であり、「共生」というテーマを追い求めた結果だと思う。
野生生物の共生だけでない。
山口さんは、「カブトムシ山に帰る」という本の中で、小さなカブトムシが増えた理由を人間の活動変化と紐付けて解き明かして行ったりと、人間と昆虫の関わり、言い換えれば「人間と昆虫の共生」にも視野を広く持っていた。
1つ良いテーマを持ち、そこから色々な対象へ興味を広げていく姿勢は、自然写真家のお手本だと思う。

オオムラサキセンターの敷地は結構広く、観察池なんかもある。

キショウブが咲いていた。
種がこぼれると水に浮いて流される性質を持つ。
厄介な外来種らしいが、池のような閉鎖的空間に閉じ込めている内は、広がらないのかもしれない。
敷地を出た後、3時間ほど周囲を散策してから帰宅した。
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