一筋縄ではいかなそう
- 景山陽
- 2024年4月22日
- 読了時間: 2分
タンポポの綿毛が開く様子を撮影しようと、近所の公園で開く前の実を何本か採集してきた。
持ち帰ってきた5本のうち、1 本にカメラを構えていたのだが、運の悪いことに、ちょうどカメラを構えていた個体だけが十分に熟していなかったようで、綿毛が開いてくれなかった。
タンポポの綿毛はこれからがピークなので、それほど焦る必要はないと思うが、半日以上時間をロスしてしまった。

綿毛がらみのシーンの中でも、タンポポの綿毛が開いたり、種が発芽するシーンは時間をかければほぼ間違いなく撮れるシーンだ。
一方で、タンポポの綿毛が風で飛んでいくシーンは一筋縄ではいかない。
世の中に出回っているタンポポの綿毛飛散の写真を見てみると、まともに屋外で現象を写している写真は数えるほどしかなく、ほとんどがスタジオで綿毛が飛んでいるように見せた写真ばかり。
それだけ写すのが難しいシーンだということだ。
スタジオで撮られたそれらの写真は、恐らくだが、ガラスの透過撮影台の上に綿毛を散りばめ、その下に青空に見せかけた背景用紙を敷いて撮影したものだと思う。
イメージ写真ならともかく、その写真が生態を説明する用途に使われるのであれば、是非とも屋外で撮影したい。
まともに屋外で綿毛飛散を撮影している写真家は、僕の知っている限りでは埴沙萠さんと、平野隆久さんくらいではなかろうか。
平野隆久さんが撮影を担当されているフレーベル館の「しぜんキンダーブック タンポポ」は、連続写真のクオリティが高いため、タンポポの撮影の時はお手本代わりに良く読み返す。
平野隆久さんと言えば図鑑写真のイメージが強かったので、初めて読んだときは意外に感じた記憶がある。

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