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クリップと花粉

  • 景山陽
  • 2024年8月26日
  • 読了時間: 2分

昨日、新しく買ったレンズ(90㎜マクロ )を使ってアサガオの雌蕊を撮影したが、今日は雄蕊も撮影してみた。

最大倍率で撮影したので、そのままだと被写界深度がとても薄い。上の写真は、フォーカスブラケットでピントのずらした画像を60枚ほど撮影し、後からPCで深度合成したものだ。

深度合成は意外と弱点が多く、白っぽいものや、奥行きのあるもの、物が重なっているなどの条件が一つでもあると合成が破綻しやすい。

アサガオの蕊は、奥行きがあって白っぽい被写体ではあるが、深度合成ソフトのレタッチ機能で何とか違和感の無い画像に仕上げることができた。


農道でガガイモの花が咲いている。


ガガイモの花の側で、羽をばたつかせるセセリチョウの仲間を見つけた。口吻が花に引っかかって取れないようだ。

「口吻が花に引っかかっている」と言っても、この場合、単に引っかかっているわけではない。

ガガイモの花弁を取り除いて、花の断面を見てみる。

すると、溝のような線が走っているのがわかる。溝の下の方には窪みがあり、蜜が溜まっている。


ためしに、針を昆虫の口吻に見立てて、さっきの溝に沿うように花に差し込んでみると…



針の先に、何かが挟まった。


これは花粉塊と呼ばれるもので、ガガイモは、昆虫が吸蜜しようと口吻を差し込むと、花粉付きのクリップを口吻にパチンと挟んで運ばせるのだ。

通常なら茶色い部分がクリップの役割をして口吻に挟まるのだが、今回は昆虫の口吻よりも太い針を差し込んだため、花粉塊自体が挟まっている。


この花粉塊は、力の強い昆虫ならともかく、蝶のような力の弱い昆虫だと花粉塊を花から引っ張りだせずにそのまま死んでしまうこともあるらしい。

今日見つけたセセリチョウは、そうして抜け出せなくなった被害者なのだろう。





 
 
 

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